木を切るから氾濫がおきる!?

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相次ぐ豪雨とそれに伴う氾濫。こうしたニュースのあと、山の木を伐りすぎるからダメなんだよね~と話しかけられて、唖然とした。
へ~ まだそんなふうに思っている人がいるんだ・・・と

確かに亜熱帯の森林破壊が進み、地球全体に悪影響を及ぼしているとか、現地の人たちが被害を被っているという報道がされることがある。でもそれは、現在の日本には全く当てはまらない。

もちろん江戸時代に木を伐りすぎて、それを防ぐために木一本首一つなんて物騒な時代もあった。瀬戸の山は、焼き物のために木を伐ってしまい、見渡す限りハゲ山になってしまったという話も聞いたことがある。しかし、戦後、焼け野原になってしまった日本に家を建てるため、復興のために、日本人は懸命に植林をした。

その木々が今まさに伐採期を迎えているのです。

ぎっしりと植えられた杉は、大きくなるにつれて、少しずつ間伐を繰り返し、残った木に日が当たるようにする。下草を刈り、手入れを繰り返し大切に育てられてきた。ところが、木の需要が高まり、輸入を拡大してしまったために、安い輸入材ばかりが使われるようになって、国産材が売れなくなってしまった。急な斜面の多い日本の山から木を伐りだすにも、手入れをするにも大変な労力がかかるため、どうしてもコストが高くなってしまうからだ。

そうした価格競争の中、今では国産材も下落が進み、輸入材と価格の面ではほとんど差がなくなってきている。家を建てる経費全体で見ると、材木にかかるのは全体の3割程度。その中の1割高いくらいなら、日本の木を使った方がはるかに得になる。なぜ、高いのに得? それは、日本の風土で育った木であれば日本の風土に合い、長持ちするから。木は育った年月と同じ年月は長持ちすると言われている。

もちろん海外からエネルギーを使って運ぶことは自然環境にもよくないことは当然。

話が長くなってしまったが、日本の木は伐って使ってもらうことを待っているのです。山がきちんと手入れされてこそ、雨を大地に蓄えてくれるのです。

置されて真っ暗になってしまった山では、土の表面もカチカチになってしまい、草も生えず、雨を保水する力は無くなってしまい、豪雨の威力に負けて表面の土ごと流されて、下流に被害をもたらすのです。美味しい水が飲めるのも、森林が水を浄化してくれるからです。
下流に暮らす我々は、上流に植林された木を使わせてもらうことで、安心して下流に住まわせてもらうための恩返しをする。いやいや、自分たちが心地よく暮らせることを考えれば、本当は本来のもっと高い価格でもいいくらいなのかもしれない。・・・などということを、切々と語ってしまいました。